チームビルディングに「ティール組織」の考え方を適用する

最近読んでいる「ティール組織」をチームビルディングに適用する方法を考えている。ティール組織がそもそもなんなのかというのは、この辺を読んだりしてもらえるとアウトラインはわかると思います。が、あくまでもティール組織の表面的な部分を紹介しているだけに過ぎないような印象を受けます。

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 ティール組織はもっと哲学的なものなんじゃないかなという気がしていて、その理由としては、7つの習慣アドラー心理学をベースとした考え方を組織経営の基本とし、会社で働く上での指針としているように感じたからです。まだ序盤しか読んでいないですが、社員の自主性を尊重することや、他者(組織)に貢献する為にできることを考えて「主体的に」実行すること。上司、部下といった上下関係は存在せず、対等な関係で働くこと、集合知を利用して問題を解決する(シナジーを発揮することと同義に思える)など、ティール組織との共通点が非常に多いんですよね。

ティール組織におけるチームは、チームメンバー感の「信頼」によって成り立っていることが大きな特徴です。従来型の組織の場合だと、リーダーという役割を与えられているから意思決定を行ったり、マネージャーという役割を与えられたからプロジェクトの全体を見て判断を下す。といったように、自分がやりたいかどうかはともかく、「先に役割を与えられてそれをこなす」という形式ですね。

ですが、ティール組織の場合はそうではなく、個人の自主性や主体性を重視するので「自分がチームのためにできることを探して実践する」といったような、他者に貢献できることを自ら探して実践することが必要となります。

繰り返しになりますが、上記のような「主体性」「他者への貢献」などは、7つの習慣アドラー心理学における非常に重要なテーマの一つであり、ティール組織は性善説に則った、主体性、信頼性、全体性をベースにした新しい組織の形態の1つ」であることから、成果主義パラダイムでしか働いたことがない多くの日本人に非常に大きな反響をもたらしているいるのではないかなと思いました。

前置きが長くなりましたが、チームビルディングにおける基本的な考え方はシンプルで、以下のことを守ってチームを作っていくことが非常に大事です。

  • 対等な関係であること
  • 相手を信頼すること
  • メンバーに貢献すること

上記を守るために必要な技術としては、相手の話をしっかり聞くこと(傾聴)や、相手の人格を非難しないこと。意見を批判することは相手の人格を損なうことではないという前提を全員が持ち、心理的安全性を担保すること。チームの中で話し合いを行う場合はファシリテーターを設けること。チームだけでは解決できないような問題が発生した場合は、適切なアドバイスができるコーチングスキルを持った人がアドバイスを行うこと。ただし問題の解決はチームに任せること。といったことが大事です。

これは仕事だけの話ではなく、チームスポーツやゲームにも通じるものがあるのではないかなと思っています。僕が Quake や CS をやっていた時に今のような知識があったなら、もっと上手くチームを機能させることができたのではないかなと思いますし、コーチングやファシリテーションもうまいことできたんじゃないかなと感じています。

そして、僕が若いゲーマーを見ていて思うことは、上記のようなことが本当にチームの中でできているのだろうか?というのと、チームのオーナーやコーチが選手のメンタリングやコーチングに必要なスキルを備えているのだろうか?という2つの疑問があります。なぜそう思ったのかというと、先日行われていた PJS αリーグ終了後にチームの解散やメンバーの脱退が相次いだからです。

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チームの解散や脱退はそれぞれの事情があるため仕方ないのかなと思う反面、本当にチームとして機能していたところはどれくらいあるのだろう。そもそもまともに話し合いなどはできているのだろうか?と思いました。近年は日本にも eスポーツの波が来ていることもあって、多くのプロチームが発足していますが、それらがきちんと「組織として」機能しているといいなあと思います。