技術書典6で本を売ったので技術同人誌の執筆に関するまとめ

4/14日(月) に池袋のサンシャシンシティ文化会館で行われた技術書典6にサークルで参加しました。 「SpringBootとKotlinで学ぶjOOQ入門」という本を書いて売りました。 自分の予想だと30部売れればいいかなと思っていましたが、実際は50部ちょっと売れたので目標達成という感じです。 80部刷ったのでまだあまっているので、そのうち知人に配ったりしようかと思います。 自分のブースではこんな感じで売ってました。

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技術書典のブース

参加した記録を残しておこうと思ったのと、本を書くために何をやったのかなどをまとめておいたほうがのちの自分のためにも良さそうなので記録としてブログにまとめました。

最初にやったこと

まずは技術書典に申し込みをしました。参加申し込みをしようかどうか迷っていたのでギリギリのタイミングでの申し込みだったのと自分のイメージだとサーバサイドに関する本はあんまりないだろうし、正直なところ当選するとは思っていなかったので、当選してかなり驚きました。 当落発表があったのは2月の頭くらいだったので、今から技術書を書いても2ヶ月弱しかないのか...と絶望するところからのスタートとなりました。

本のネタ出しをどうしたか

自分の場合は最初に書こうと思っていたネタはだいたい決まっていて、jOOQ に関するまとまった情報がなかったので自分でまとめたいと思ったのとjOOQ がもっと国内で普及したらいいなと思ったので、最近流行っている SpringBoot + Kotlin という構成で jOOQ を使うといったテーマで本を書き始めました。 技術書点はかなりニッチなテーマを扱った本が多く売られているので、商業誌では出せないような深く掘り下げたテーマで本を書くのはありだと思います。 あとネタは結構そこらへんに転がっているので、今の業務で携わっている技術をまとめるだけでも新たな学びがあったりするので、別にテーマ自体はなんでもいいんじゃないかなという気がします。 React などは進化が早くて商業誌にしづらいのと、情報が体系的にまとまっていないので初心者向けのニーズがかなりあると思うし、サーバサイドの人間が一から学ぶにはめんどくささがあるので。 関数型言語に関する本がちょっと少ないと思ったのでその辺りを狙うとか、新しいことに挑戦してそれを本にまとめてもいいですし、探せばネタは結構あるかなと。

スケジュールを作った

まずはざっくりとしたスケジュールを決めました。3月末には入稿をして4月14日に売るにはどうしたらいいかを逆算して考えたのと、どのくらいのボリュームの本を書くかを決めました。この時点では80ページくらいかければいいかなくらいな感じで考えていました。印刷所へ入稿する期限を3月31日として、本文の作成、表紙の作成、体裁を整えるなどをいつまでにやるか決める といった感じです。 ※ 実際には124ページになりました

基本的に平日は仕事で疲れているので、金曜の夜以外は本を書かないようにして、本を書く時間は全て土日を使いました。2月と3月の土日ほぼ全てを費やしたので、2ヶ月間はほぼ休みがないような状態だったのでちょっときつかったです。 あとは体裁を整える時間がなかったので、本を書くには最低でも3ヶ月くらいは見ておくのがいいんじゃないかと思います。もうちょっとゆとりをみてスケジューリングするなら、ボリュームにもよりますが4ヶ月〜半年くらい見ておけば問題ないかと。

技術書を書くにはどうしたらいいかを調べた

インターネットに技術書点に参加して本を売るまでの情報が点在していたので、そういった情報を調べました。あとは「技術同人誌を書こう!」という同人誌があったので購入してざっくり読んで、技術書を書くためにやることや気をつけることなどを学習しました。

booth.pm

技術書を書いてから売るまでにハマるポイントがまとまっているので、初めて参加するなら読んでおくといいんじゃないかと思います。 特に Word で書くのか re:view で書くのか Markdown で書くのかなどは最初に決めておいたほうがいいかなと思います。 自分は今回 Word で書きましたが、体裁の綺麗さなどを考えると re:view で書いたほうが綺麗になるので次は re:view で書こうと思います。 re:view で作成した本を CircleCI で回して push したら自動で PDF を作成してサーバに転送する といったことも可能だそうなので、複数人で本を書いているならそこまでできていると便利そうです。

目次を書いた

まずは作成する本のアイデアを電車の中などの隙間時間を使って google keep にまとめました。アイデアはブレストっぽい感じでやったので、とりあえず思いついたら google keep に書いてその中でカテゴリごとにまとめていって週末のまとまった時間を使って目次に仕上げていきました。目次は重要なので最初に作ったほうがいいです。

Trello にタスクを登録して進捗を管理した

技術書典用の Trello を作ってタスクを登録しました。表紙の作成、目次の作成、目次から書く本文の内容を切り出して登録などを行い、1個ずつ終わったかどうかをチェックしました。 具体的には Todo Doing Review Done でレーンを分けて、やることは Todo に登録し、仕掛かり中のものは Doing 作業が終わったら Review か Done にタスクを移動して管理しました。 特に本文を書くのにどれくらいのベロシティが出るのかを計測したかったので、本を書き始めてからの2週間の土日でどれくらいのアウトプットがあったかを指標としてどれくらい本文を書けるか見積もりました。土日に目次を4つくらいは消化できることがわかったので、それに合わせて書く内容を調節しましたが、だいたい見積もりどおりの結果に収まりました。 なので、本当は盛り込みたかったけど書けなかった内容がいくつかあり、それらも含めるとトータルで200ページ弱の本になった可能性があります...。

表紙を作成した

表紙をクラウドワークスさんなどに依頼して作成してもらうのもいいかと思ったのですが、どうせなら全部自分でやってみたほうが一通りの工程を経験できていいかと思ったので表紙は自分で作成しました。 飼っているインコの画像で良さそうなやつを適当に見繕って iPhone の画像加工アプリで絵のような見た目に加工した画像を PC に転送し、gimp を使って微調整したものを Keynote にインポートして文字などを追加して なんとなくそれっぽい感じの表紙が作れました。作成した表紙はこんな感じです。

techbookfest.org

ちゃんとした表紙を作りたい場合はかなり早めにクラウドワークスさんなどで募集するのがいいかと思います。表紙の公開は期限がかなり早いのと、いい感じの表紙だとサークルの被チェック数もかなり伸びて来るので、表紙は早めに作るといいかと思います。自分の場合は表紙の作成が3月末ごろになってしまったので、もっと早めに表紙を作っておけばよかったと反省しました。

印刷所に入稿した

技術書典公認の印刷所さんが2つあるので、印刷を依頼したのが4/7(日)と技術書典の1週間前になってしまったので、ページ数的にもねこのしっぽさんに依頼することができなかったので日光印刷さんに依頼して本を印刷していただきました。入稿した翌日には電話で確認の連絡がきたので、支払い金額などを確認して印刷をお願いするといった流れになりました。 自分の場合は 124ページで B5 にして80部の印刷をお願いしたのですが、見積もり金額が A4 の値段になっていたのと、作成した表紙が Keynote の形式になっていたので日光印刷さんでひらけなかったので表紙を pdf にエクスポートし直して再アップロードして入稿完了 といった流れになりました。 そのほかにも気になる事は印刷所の方から折り返し連絡が来ると思うので色々確認したほうがいいと思います。

必要なものの買い出しを行った

当日は結構持ち物が多く、机に敷く「あの布」というテーブルクロスや見本誌のカバー、見本誌を立てるスタンド、ポスター、ポスタースタンドなどなど、結構必要なものが多いです。前々日までに100円ショップなどで買い出しをしました。大体のものは100円ショップで揃いますが、「あの布」は配送まで最大で1週間程度かかるので早めに注文するのがいいと思います。イベント当日になってあれがないこれがないと慌てるとしんどいと思うので、前日までに全てのものが揃っているといいと思います。

イベント当日に本を売った

印刷所からの直接搬入だったので、イベント当日になるまで自分の本が確認できなかったため若干の不安はありましたが、当日に自分のスペースにちゃんと本が配送されていたので安心しました。製本された本を見ると感動しますね。 自分で割と適当に作った表紙も綺麗に仕上がっていたのでよかったです。当日は50部ちょっと売れて、最初は50部くらい刷っておけばいいかなと思っていましたが、手元に20冊くらいは残しておきたかったのでちょうどいい感じで良かったです。自分の目標としては30冊売る事だったので目標も達成できて良かったです。対面で自分の本が買ってもらえるととても嬉しいですね。

売り子をやっていると食事をする暇があまりないので、おにぎりとゼリー飲料と飲み物を買って行きましたがおにぎりは食べている暇がなかったです。ゼリー飲料を多めに持っていくのが良さそうだったので、次回はそうしようかと思います。売り子はうちの奥さんと自分の二人だったのですが、一人で売り子をやるのはしんどいと思うので、店番を頼める人を一人は確保しておくといいかと思います。ちょっと暇な時間があれば他のブースを回って買い物もできますし。

感想

技術書を書いたことがなかったのでとてもいい経験になりました。自分の学んだことをまとめてアウトプットするいい機会だったので、今後も継続してサークル参加できればいいなと思います。 次回は ReactNative でアプリをリリースする予定なので、その辺りのことを本にまとめるのと、今回出した本の内容をブラッシュアップして書けなかった内容を盛り込んで体裁を整えて200ページくらいの本にして売ったりとかもいいなあと思っているので、そんな感じで頑張ろうと思います。終わり。